今回も、絵画のパースについて見ていきましょう



■ 俯瞰(ふかん)とあおり
今回はアイレベルについて考えます。
アイレベルというのは視点の“高さ”のことで、対象を見上げているのか、もしくは見下ろしているのかを表します。
例えば、上の写真ではキューブと円柱を見下ろしていることがわかるかと思います。これが俯瞰構図。
上の面が見えているのでわかりやすいですね

今回は円柱に注目してみましょう。
今度は見上げてみました。これが“アオリ”です。
円柱の上面の円が見えなくなり、丸みを帯びた側面のみが見えています。
次にちょうど真横くらいから見てみましょう。
上面の円が一直線になり俯瞰でもあおりでもありません。
ここがアイレベル!!
全てのパースは今一直線になっているこの高さに向かって小さくなっていきます。
キューブでも同じ様に、俯瞰でもあおりでもなく一直線に見える高さがアイレベル(赤線)。
この赤線より下にあるものは見下ろす俯瞰構図になり、上なら見上げるあおり構図になります。
静物画などの場合は、ほとんどが線より下の俯瞰構図になることが多いため気にしなくても描けますが、
風景画などの場合は特に重要になる概念で、このアイレベルがそのまま地平線になります。
自分が今描いている物を、果たして見上げているのか見下ろしているのか、、
意識して描いてみると、よりパースの理解も深まるでしょう

さて、次回は「空気遠近法」です。