油絵の生徒さんの下地作成の様子。
表面が凸凹しておるのが画像からお分かりでしょうか
今回は「体質顔料」というのを絵の具に混ぜ込んで、描く前のキャンバスに独特な質感を作っています。

油絵には「マチエール」という概念があり、平面的な価値だけでなく絵の具の重なりや筆跡の美しさなどの物理的な表面処理も重要な魅力になります。
日本語では「絵肌」と訳されています。ゴッホなどの荒々しいタッチは日本でも人気がありますね

下地には描き味や発色を良くする効果に目が行きがちですが、このようにマチエール目的でも大いに活躍してくれます。
こちらは別の生徒さんの制作風景。絵の具をたくさん使って描いていけば、このように下地がなくても筆跡だけで迫力のある画面を作ることもできます。
逆に、キャンバスに初めからある凹凸も気になるという場合には、下地で真っ平にしてから描き始めるなんてこともありえます

これが正解というやり方は美術の世界にはありませんが、油絵を描く際には、平面としてだけでなくこういった物質的・質感的な美しさという物にも、目を向けてみてはいかがでしょうか


