2021年05月07日

空気遠近法

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前回までは、絵画のパース・透視図法について見てきました。ざっくり理解できたでしょうか?






これらの考え方は主にヨーロッパで発達し、江戸時代に日本に伝わったと言われるもので、当時の日本の画家たちに大変な衝撃を与えたといいます。


では、それまで日本に遠近法がなかったのかというと?


今回は、逆に東洋で発達したと言われる「空気遠近法」を見て見ましょう目目







■ 空気遠近法・遠くのものは霞む!



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普通、空気遠近方の説明には遠くの山や森を例に出すのですが……


教室の周辺でもビル群などの遠景で実際に確認することができます。


今回は佃大橋から隅田川の向こうを眺めて見ましょう晴れ


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上の写真では、手前のビルはしっかり影になっているのに対し、遠くのビルはみんな薄い水色のように見えます。


これは空気中の水蒸気や塵によって、遠くのものほど見えにくくなる事が原因で、例えば空気のない宇宙空間では起こりません。


また、乾燥したヨーロッパよりも高温多湿なアジアの方が顕著な現象でもあります。


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単に淡く・薄くなるというよりは空の色に近くなるイメージで、夕方ならオレンジ、夜景だと暗いブルーになりますね夜


空気遠近法はご覧の様に、風景画、それもより広い範囲を遠くから描くときにこそ最も活躍してくれる技法です。


同じ遠近感の表現でも、日本や中国でたくさん描かれてきた山水画などでは厳密な透視図法より


もっとスケールの大きな空気遠近法の方が必要な技術だったのかもしれませんねひらめき











■ まとめ


さて、ひとまず遠近法関連はここまでになります。


非常に大雑把に説明してきましたが、大切なのは「技法」というのは単なる「道具」の一つだという事かと思います。


必要なときには使えるように。しかし固執しすぎて、描きたいものを見失わないように。


適度に活用しながら、ご自身の作品と楽しく向き合っていただければと思いますかわいいかわいい



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2021年04月30日

絵画のパースB

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今回も、絵画のパースについて見ていきましょうかわいいかわいい




■ 俯瞰(ふかん)とあおり


今回はアイレベルについて考えます。


アイレベルというのは視点の“高さ”のことで、対象を見上げているのか、もしくは見下ろしているのかを表します。


例えば、上の写真ではキューブと円柱を見下ろしていることがわかるかと思います。これが俯瞰構図。


上の面が見えているのでわかりやすいですねひらめき


今回は円柱に注目してみましょう。



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今度は見上げてみました。これが“アオリ”です。


円柱の上面の円が見えなくなり、丸みを帯びた側面のみが見えています。


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次にちょうど真横くらいから見てみましょう。


上面の円が一直線になり俯瞰でもあおりでもありません。


ここがアイレベル!!


全てのパースは今一直線になっているこの高さに向かって小さくなっていきます。


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キューブでも同じ様に、俯瞰でもあおりでもなく一直線に見える高さがアイレベル(赤線)。



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この赤線より下にあるものは見下ろす俯瞰構図になり、上なら見上げるあおり構図になります。


静物画などの場合は、ほとんどが線より下の俯瞰構図になることが多いため気にしなくても描けますが、


風景画などの場合は特に重要になる概念で、このアイレベルがそのまま地平線になります。


自分が今描いている物を、果たして見上げているのか見下ろしているのか、、


意識して描いてみると、よりパースの理解も深まるでしょう晴れ






さて、次回は「空気遠近法」です。



posted by 月島アートスクール at 10:26| Comment(0) | 絵画講座

2021年04月25日

絵画のパースA

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前回に引き続き、絵画のパースについて見ていきましょうひらめき


建築パースのように正確でなくてもいいというお話でしたが、まず遠近法の最重要の決まり事をおさらいしておきましょう。




■ 近くのものは大きく、遠くのものは小さい。


近くのものは大きく遠くのものは小さく…これが遠近法絶対のルールであり、全てです。


とても簡単そうですねぴかぴか(新しい)


わかりやすく長方形キューブの画像で見ていきます。


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手前の角と奥の角、二箇所を赤線で強調しています。


写真でも手前の線の方が、縦にも横にも長いことが感じられますでしょうか?


試しに奥の赤線をそのまま手前に持ってきてみます。


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このくらい違いました。


こんな控え目なパースでも意外と差がありますね。


ちなみにパースがキツくなるほどこの差は大きく、分かりやすくなります。


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パースがキツくなるのは、対象がすごく近くにある時、もしくはものすごく大きい時(建物など)です。


上の画像は小さな正方形のキューブですが、近くから見ればこんなにパースがつきます。


また、当然ながら実際の作画では縦・横・斜め全ての方向にパースがつきます。


キューブで言うと…


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赤青黄それぞれの色で示した線が正しい長さの関係になっているのが理想になります。


実際に絵を描く上では、例えば”赤のパースには気をつけて描いたけど黄色のパースには気づかなかった”


と言うような事が多くあります。


近くのものは大きく、遠くのものは小さく…たったそれだけの単純なルールではありますが、


意識できるかどうかで絵の説得力がグッと増しますので頑張ってみましょうひらめき


それでは、次回はアイレベルのお話です。

posted by 月島アートスクール at 10:33| Comment(0) | 絵画講座